今回は印刷になじみのない方に印刷の豆知識を少しだけお伝えする「DTPあるある番外編」の2回目をお送りします!
以前のブログで、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックのプロセスカラーと呼ばれる4色でほとんどの色が表現できると紹介しました。
ほとんどの色という事は中には表現できない色もあるわけで・・・
そんな時に使用するのが「特色インキ」!
今回は特色印刷についてのご紹介です。
プロセスカラーで再現できない色は特色インキで!
実はプロセスカラーで表現できる色には限りがあります。
わかりやすい色では、金・銀やメタリックカラーはプロセスカラーでは作ることができません。
また、鮮やかな発色の表現も難しく、目が覚めるような蛍光色も印刷できないんです。
そんなときは「特色インキ」を使用します。
特色インキとは、あらかじめ表現したい色に合わせて調合しておいた特別なインキです。
このインキを使用することで、プロセスカラーでは表現不可能な色が印刷可能になり、色の幅が広がります。
こんな時は特色印刷!
先に述べた通りプロセスカラーでは再現不可能な色には特色を使用します。
また、商品ロゴや企業ロゴのカラーなど、コーポレートカラーが厳密に決まっている場合は、特色で指定してより正確に表現されるようにすることもあります。
他にも特色を活用するケースがあります。
冒頭で紹介したブログ記事の通り、ブラックで濃淡を表現しようとするとグレーは「点の集合体」で表されます。
すると、濃度によってはエッジがシャープに出ず、ぼやけた印象になってしまいます。
そこでグレーを特色刷りに置き換えることで、ベタの状態でシャープに印刷することが可能になります。
また、たとえば左のようなグリーンを印刷したい場合。プロセスカラーで印刷すると「シアン・マゼンタ・イエロー」の3色印刷になります。
印刷は使用カラーが増えると印刷コストが上がるケースが多いので、グリーンの特色で1色刷りにしたほうが価格が抑えられる事があります。
プロセスカラーで再現できる色でも、あえて特色にするなんて選択肢もあるんですね。
もちろん、特色を使用すると色数が増える事になるので、無限に特色を増やすことはできませんがコストやクオリティの面で多くのメリットがあります。
話は変わって
突然ですが、牛乳パックを見るとカラフルな図形が印刷されていることをご存知でしょうか。
これは「色玉」や「カラーパッチ」、「カラーバー」と呼ばれるもので、印刷時に適切な濃度で刷られているかのチェックなどに使用します。
テレビ番組でたびたび用途が紹介されているため、ご存知の方もいるかもしれませんね。
さて、ここでいくつかのパックを見てみましょう。
シアン・マゼンタ・イエローに加えて、ネイビーと鮮やかな黄緑色が印刷されていますね。こちらはプロセス3色+特色2色の5色刷りと予想できます。
ドラッグストアで購入した牛乳。プロセス+特色1色の、こちらも5色刷りです。
こちらは今回のブログの為に購入した、地元関市の企業「関牛乳」さんの牛乳パックです。赤と金の特色2色を使い、シックで高級感のある色合いとなっております。
SNSアイコン・企業ロゴを含む印刷物や、パッケージなど商品イメージに影響するものは表現力を高めるために特色を使用してることが多いので、「これは特色かな?」「これは何色で印刷されているかな~?」なんて、印刷物を眺めてみるのも楽しいかもしれませんね。
以上!DTPあるある番外編でした~。
この記事を書いた人
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トヨトモのにしこです。
目指すジャンルは「明るいオタク」、何でもポジティブにこなしてみせます。
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