お久しぶりです。マラソン部の長尾です。
「飛騨高山ウルトラマラソンが今回限りで終了するらしいよ」
昨年末、知り合いのランナーからそんな噂をよく耳にしました。その理由として挙げられていたのが、ボランティア不足です。
飛騨高山ウルトラマラソン(以下、高山ウルトラ)は国内でも知名度の高い大会で、この記事を書いている3月中旬で今年もエントリーはほぼ定員に達しています。
以前の記事でもお分かりの通り、僕にとって高山ウルトラは初めて100kmを完走した、非常に思い入れのある大会です。あの激坂を越えた後のエイドの温かさ、沿道の声援は今でも鮮明に憶えています。
しかし、大会を支えるボランティア(以下、ボラ)の確保は年々難しくなり、5年間で半減したとのこと。「有名な大会=人が集まる」と思われがちですが、現実はそう単純ではないようです。もちろん現時点で大会終了の公式発表はありません。ですが、火のない所に煙は立たぬ。ただ、この噂は一つの大会に限った話ではなく、ボラ不足は全国的なマラソン大会が抱える深刻な課題であると感じます。
では、「なぜボラが不足しているのか?」
まずはその問題について向き合ってみました。
数字で見える「ボランティア依存」の限界
ウルトラマラソンを1日開催するために、どれほどの人手が必要かご存知でしょうか。
| 項目 | 実態と課題 |
|---|---|
| 必要人数 | 1大会につき約800人〜1,000人の有志が必要 |
| 稼働時間 | 午前3時の準備から夜20時の撤収まで、最大17時間以上 |
| 構成 | 主力は地域のシニア層、高齢化により毎年数十人規模で引退が進む |
神戸マラソン等の調査データ(2023年)によると、ボランティアの再参加意向は60歳以上で高く、若年層ほど低い傾向にあります。つまり、「地元の元気なシニア層」に頼り切っていた運営モデルが、寿命を迎えつつあるのです。確かに、過去の大会で見たボラの方々の年齢層は高かった印象があります。
では次に、「なぜボラ不足が開催危機に繋がるのか?」を考えていきます。
「深刻な人手不足」が大会を終わらせる理由
開催終了の噂の背景には、単に「人が足りない」以上の深刻なリスクがあります。
安全の欠如: 交差点の誘導員が1人足りないだけで、選手の事故やトラブルのリスクは跳ね上がります。

エイドの縮小: ウルトラの魅力の一つに豪華なエイドが挙げられます。飛騨牛、イノシシの冷しゃぶ、⾶騨とらふぐの唐揚など、楽しみにしていたエイドの特産品も、調理・配膳する人がいなければ設置できません。

運営コストの暴騰: ボラが集まらなければ、有償の警備会社や派遣スタッフを雇うほかありません。その結果、エントリー代が跳ね上がり、大会参加を諦めるランナーが増加してしまいます。

「走る側」から「支える側」への転換
思い返せば、僕が高山ウルトラを完走したあの時、エイドで対応してくれたあの方も、コースを誘導してくれたあの方も、みんな無償の有志でした。 今、僕ができることはこの2つなんじゃないかなと思います。
ボラへの参加: 「たまには走るのを休み、支える側に回る」という選択。近場で開催される大会など、無理のない範囲でボラに参加する。知り合いのランナーがエントリーしている大会なら、より近くで応援もできて一石二鳥ではないかと思います。

感謝の言語化:とにかく直接「ありがとうございます!」と感謝の意を伝える。または 運営へのアンケートやSNSで、いかにボランティアの存在が完走の助けになったかを熱く伝えること。 ボラで参加してくれた方々に次回以降も参加したいと思ってもらえることが大切だと思います。

あの体験を未来のランナーに残すために

飛騨高山の古い町並みを抜け、繰り返す上り坂に絶望し、それでも最後にくぐったあのフィニッシュゲート。あの感動をこれからもたくさんのランナーたちにも味わってほしい。「今回が最後」という噂を、ただの噂で終わらせるのか。それとも現実にしてしまうのか。それは、僕たちランナー一人ひとりの「自分事化」にかかっているのではないでしょうか。今後も多くの素晴らしい大会の開催を継続していくために、ランナー側も「支える側」に回る視点が、これまで以上に求められているのかもしれません。
ということで決意を固め、ウルトラ同様に大勢のボラによって成り立っているトレイルランニングの大会にボラとして参加予定してきましたので、近いうちに体験談を記事にする予定です。しばらくお待ちください。
それではまた。
この記事を書いた人
- 5S委員長の長尾です。きれいで働きやすい会社にする為、コツコツ頑張っていきますんで、よろしくおねがいします。
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